1999年の日本競馬

1999年 > 1999年のスポーツ > 1999年の日本競馬

1999年の日本競馬(1999ねんのにほんけいば)では、1999年平成11年)の日本競馬界についてまとめる。馬齢は旧表記で統一する。

1998年の日本競馬 - 1999年の日本競馬 - 2000年の日本競馬

概要[編集]

エルコンドルパサーのフランス長期遠征[編集]

前年NHKマイルカップジャパンカップを制したエルコンドルパサー二ノ宮敬宇厩舎・牡5歳)が春から秋にわたってトニー・クラウト厩舎に預託し、フランスで4戦に出走。

初戦のイスパーン賞(G1・5月23日)はゴール前でクロコルージュに交わされて2着に敗れるが、続くサンクルー大賞(G1・7月4日)で前年の凱旋門賞サガミックスや前年のカルティエ賞年度代表馬ドリームウェルを破って海外G1制覇。

秋には3頭立てのフォワ賞(G2・9月12日)を勝っていよいよ最大目標の凱旋門賞(G1・10月3日)に挑む。 このレースにはその年のフランスアイルランド両ダービー馬モンジュー、当年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークス及びアイリッシュチャンピオンステークスをそれぞれ圧勝していた欧州古馬チャンピオンであるデイラミが出走した。 史上稀にみる不良馬場で行われたレースでは、押し出される形で先頭に立ち、逃げる形でレースも進め、4コーナー過ぎで他馬を大きく突き放した。しかし直線半ばからモンジューが強烈な末脚を繰り出し、粘るエルコンドルパサーを半馬身差交わして優勝。しかし、3着以下には6馬身の大差をつけた。渡邉隆オーナー共々、高いスポーツマンシップはヨーロッパの競馬関係者に高く称賛された。

このレースを最後に引退し、ジャパンカップ当日には引退式が行われた。ジャパンカップでは遠征してきたモンジューを同期のスペシャルウィークが破った。そして、国内で1戦もしていないにもかかわらず、この年のJRA賞年度代表馬・最優秀5歳以上牡馬に選出された。

その他の海外遠征[編集]

前出エルコンドルパサーの凱旋門賞の前に行われたアベイ・ド・ロンシャン賞(G1・芝直線1000メートル)でアグネスワールドが勝利。同馬は引退するまでにJRAGIは未勝利に終わったが、ヨーロッパのG1は2勝した。

シーキングザパール1月23日アメリカカリフォルニア州サンタアニタ競馬場で行われたサンタモニカハンデキャップ(G1・ダート7ハロン)に出走し、4着。その後日本で高松宮杯安田記念と2走した後、トレードされてアメリカ・アラン・ゴールドバーグ厩舎に移籍。 ブリーダーズカップ出走を視野に入れたが、結局G3を2戦して4着、7着に終わる。引退してアメリカで繁殖入りし、初年度産駒シーキングザダイヤが日本で活躍した。

また、日本のノーザンファームで産まれ、イギリスで競走生活を送るシーヴァタタソールズゴールドカップを制し、日本生産馬初の海外G1制覇を達成した。

できごと[編集]

1月 - 3月[編集]

4月 - 6月[編集]

7月 - 9月[編集]

10月 - 12月[編集]

競走成績[編集]

中央競馬・平地GI[編集]

競走名 優勝馬 性齢 騎手 調教師 所属
月日 競馬場 馬主 勝時計
第16回フェブラリーステークス メイセイオペラ 牡6 菅原勲 佐々木修一 岩手
1月31日 東京競馬場 (有)明正商事 1:36.3
第59回桜花賞 プリモディーネ 牝4 福永祐一 西橋豊治 JRA栗東
4月11日 阪神競馬場 伊達秀和 1:35.5
第59回皐月賞 テイエムオペラオー 牡4 和田竜二 岩元市三 JRA栗東
4月18日 中山競馬場 竹園正繼 2:00.7
第119回天皇賞(春) スペシャルウィーク 牡5 武豊 白井寿昭 JRA栗東
5月2日 京都競馬場 臼田浩義 3:15.2
第4回NHKマイルカップ シンボリインディ 牡4 横山典弘 藤沢和雄 JRA美浦
5月16日 東京競馬場 シンボリ牧場 1:33.7
第29回高松宮記念 マサラッキ 牡7 藤田伸二 増本豊 JRA栗東
5月23日 中京競馬場 丸井正貴 1:08.0
第60回優駿牝馬(オークス) ウメノファイバー 牝4 蛯名正義 相沢郁 JRA美浦
5月30日 東京競馬場 梅崎敏則 2:26.9
第66回東京優駿(日本ダービー) アドマイヤベガ 牡4 武豊 橋田満 JRA栗東
6月6日 東京競馬場 近藤利一 2:25.8
第49回安田記念 エアジハード 牡5 蛯名正義 伊藤正徳 JRA美浦
6月13日 東京競馬場 (株)ラッキーフィールド 1:33.3
第40回宝塚記念 グラスワンダー 牡5 的場均 尾形充弘 JRA美浦
7月6日 阪神競馬場 半沢(有) 2:12.1
第4回秋華賞 ブゼンキャンドル 牝4 安田康彦 松田博資 JRA栗東
10月24日 京都競馬場 (株)上田牧場 1:59.3
第120回天皇賞(秋) スペシャルウィーク 牡5 武豊 白井寿昭 JRA栗東
10月31日 東京競馬場 臼田浩義 1:58.0
第60回菊花賞 ナリタトップロード 牡4 渡辺薫彦 沖芳夫 JRA栗東
11月7日 京都競馬場 山路秀則 3:07.6
第24回エリザベス女王杯 メジロドーベル 牝6 吉田豊 大久保洋吉 JRA美浦
11月14日 京都競馬場 メジロ商事(株) 2:13.5
第16回マイルチャンピオンシップ エアジハード 牡5 蛯名正義 伊藤正徳 JRA美浦
11月21日 京都競馬場 ラッキーフィールド 1:32.8
第19回ジャパンカップ スペシャルウィーク 牡5 武豊 白井寿昭 JRA栗東
11月28日 東京競馬場 臼田浩義 2:25.5
第51回阪神3歳牝馬ステークス ヤマカツスズラン 牝3 M.キネーン 池添兼雄 JRA美浦
12月5日 阪神競馬場 山田康博 1:35.6
第51回朝日杯3歳ステークス エイシンプレストン 牡3 福永祐一 北橋修二 JRA栗東
12月12日 中山競馬場 平井豊光 1:34.7
第33回スプリンターズステークス ブラックホーク 牡6 横山典弘 国枝栄 JRA美浦
12月19日 中山競馬場 金子真人 1:08.2
第44回有馬記念 グラスワンダー 牡5 的場均 尾形充弘 JRA美浦
12月26日 中山競馬場 半沢(有) 2:37.2

中央競馬・障害[編集]

競走名 優勝馬 性齢 騎手 調教師 所属
月日 競馬場 馬主 勝時計
第1回中山グランドジャンプ メジロファラオ 牡7 大江原隆 大久保洋吉 JRA美浦
4月11日 中山競馬場 (有)メジロ牧場 4:56.2
第122回中山大障害 ゴッドスピード 牡6 西谷誠 瀬戸口勉 JRA栗東
12月18日 中山競馬場 坪野谷和平 4:42.6

地方競馬主要競走[編集]

競走名 優勝馬 性齢 騎手 調教師 所属
月日 競馬場 馬主 勝時計
第48回川崎記念 アブクマポーロ 牡8 石崎隆之 出川克己 船橋
2月3日 川崎競馬場 鑓水秋則 2:16.6
第22回帝王賞 メイセイオペラ 牡6 菅原勲 佐々木修一 岩手
6月24日 大井競馬場 (有)明正商事 2:04.0
第1回ジャパンダートダービー オリオンザサンクス 牡4 早田秀治 出川克己 船橋
7月8日 大井競馬場 日浦桂子 2:06.9
第12回マイルチャンピオンシップ南部杯 ニホンピロジュピタ 牡5 武豊 目野哲也 JRA栗東
10月11日 盛岡競馬場 小林百太郎 2:04.0
第14回ダービーグランプリ タイキヘラクレス 牡4 藤田伸二 蛯名信広 JRA美浦
11月3日 盛岡競馬場 (有)大樹ファーム 2:08.6
第45回東京大賞典 ワールドクリーク 牡5 加藤和宏 新井仁 JRA栗東
12月29日 大井競馬場 インターナショナルホース(株) 2:04.9

表彰[編集]

JRA賞[編集]

  • 年度代表馬・最優秀5歳以上牡馬 エルコンドルパサー
  • 最優秀3歳牡馬 エイシンプレストン
  • 最優秀3歳牝馬 ヤマカツスズラン
  • 最優秀4歳牡馬 テイエムオペラオー
  • 最優秀4歳牝馬 ウメノファイバー
  • 最優秀5歳以上牝馬 メジロドーベル
  • 最優秀父内国産馬・最優秀短距離馬 エアジハード
  • 最優秀ダートホース 該当馬なし
  • 最優秀障害馬 ゴッドスピード
  • 特別賞 グラスワンダー、スペシャルウィーク

ダートグレード競走最優秀馬[編集]

  • メイセイオペラ

NARグランプリ[編集]

リーディング[編集]

リーディングジョッキー[編集]

分類 騎手の氏名 勝利数
中央競馬 武豊 178
地方競馬
ばんえい競走

リーディングトレーナー[編集]

分類 調教師の氏名 勝利数
中央競馬 藤沢和雄 49
地方競馬
ばんえい競走

リーディングオーナー[編集]

リーディングブリーダー[編集]

リーディングサイアー[編集]

リーディングブルードメアサイアー[編集]

誕生[編集]

この年に生まれた競走馬は2002年のクラシック世代となる。

競走馬[編集]

人物[編集]

死去[編集]

競走馬、繁殖馬[編集]

人物[編集]

引退[編集]

競走馬[編集]

人物[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

参考文献[編集]

  • 競馬歴史新聞編集委員会『新版競馬歴史新聞』日本文芸社、2004年。ISBN 4-537-25205-7 
  • 一般社団法人 中央競馬振興会『日本近代競馬総合年表』中央競馬ピーアール・センター、2018年。 

注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d 『総合年表』p.247
  2. ^ ニュースぷらざ”. 競馬ブック (1999年2月8日). 2020年9月26日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h i j k 『総合年表』p.248
  4. ^ ニュースぷらざ”. 競馬ブック (1999年5月10日). 2020年9月26日閲覧。
  5. ^ a b c 『総合年表』p.249
  6. ^ ニュースぷらざ”. 競馬ブック (1999年8月30日). 2020年9月26日閲覧。
  7. ^ a b c d e f 『総合年表』p.250
  8. ^ a b ニュースぷらざ”. 競馬ブック (1999年11月1日). 2020年9月26日閲覧。
  9. ^ a b ニュースぷらざ”. 競馬ブック (1999年11月15日). 2020年9月26日閲覧。
  10. ^ ニュースぷらざ”. 競馬ブック (1999年11月8日). 2020年9月26日閲覧。
  11. ^ a b 『総合年表』p.251
  12. ^ a b ニュースぷらざ”. 競馬ブック (1999年12月20日). 2020年9月26日閲覧。
  13. ^ a b ニュースぷらざ”. 競馬ブック (2000年1月11日). 2020年9月26日閲覧。
  14. ^ a b ニュースぷらざ”. 競馬ブック (1999年4月26日). 2020年9月26日閲覧。
  15. ^ ニュースぷらざ”. 競馬ブック (1999年5月17日). 2020年9月26日閲覧。
  16. ^ ニュースぷらざ”. 競馬ブック (1999年5月24日). 2020年9月26日閲覧。
  17. ^ ニュースぷらざ”. 競馬ブック (1999年8月16日). 2020年9月26日閲覧。
  18. ^ ニュースぷらざ”. 競馬ブック (1999年3月8日). 2020年9月26日閲覧。
  19. ^ ニュースぷらざ”. 競馬ブック (1999年3月15日). 2020年9月26日閲覧。
  20. ^ 中央競馬を振り返る 1999年8月(アーカイブ) - 競馬ニホン、2024年2月16日閲覧。