AFCアジアカップ2023

AFCアジアカップ2023
AFC Asian Cup 2023
大会概要
開催国 カタールの旗 カタール
日程 2024年1月12日 - 2月10日
チーム数 24 (1連盟)
開催地数(5都市)
大会結果
優勝  カタール (2回目)
準優勝  ヨルダン
3位  イラン
 韓国
大会統計
試合数 51試合
ゴール数 132点
(1試合平均 2.59点)
総入場者数 1,507,790人
(1試合平均 29,565人)
得点王 カタール アクラム・アフィーフ(8点)
最優秀選手 カタール アクラム・アフィーフ
最優秀
ゴールキーパー
カタール マシャアル・バルシャム
フェアプレー賞  カタール
 < 20192027

AFCアジアカップ2023: AFC Asian Cup 2023[1])は、2024年カタールで行われていた18回目のAFCアジアカップ[2]アジアサッカー連盟(AFC)所属のナショナルチームによって争われるサッカーの大陸選手権大会。大会スローガンはHayya Asia(ヘイヤ・アジア、英語表記は「Let's go Asia」)[3]決勝カタールヨルダンを3-1で下し、2大会連続2回目の優勝を果たした[4]

開催国決定[編集]

2019年大会は西地区で開催されたことから、東地区であらかじめ開催されることになっていた。中国韓国の2か国が立候補を表明していた[5][6][7]ものの、のちの2019年5月15日に韓国は2023 FIFA女子ワールドカップの招致に集中するために当大会開催の立候補を取り下げることを発表[8][9]、開催国正式決定の前に残る立候補国は中国のみとなっていた[9]。なお、他に立候補の意向を示していた(それ以前に取り下げていた)国としては、インド[5][6]インドネシアタイがあった。

開催国は、2019年4月6日にマレーシアクアラルンプールで開催されるアジアサッカー連盟(AFC)総会で決定される可能性が示されていた[10]ものの決定されず、その後2019年6月4日にパリで決定される可能性があると報じられた[7](なお、この翌日からパリにて国際サッカー連盟総会が開催される予定となっている[11])。AFCは6月4日にパリで開催された臨時総会で、中国を開催国とすることを決定した。

その後新型コロナウイルス流行の影響で中国での開催が困難となり、AFCと中国の開催委員会での協議の結果、2022年5月14日にAFCは中国での開催を断念し別途開催国を決定することを発表した(なお主会場である青島市青春足球場はそのまま完成した)[12][13]

2022年7月18日、AFCは韓国、オーストラリア、カタール、インドネシアの4か国が開催地に立候補したと発表した。その後、同年8月31日が提出締め切りであった正式な立候補表明において、オーストラリアは立候補を見送った[14]。開催国は同年10月17日のAFC理事会で[15]カタールに決定した[16]

2023年2月28日にカタールサッカー協会は、開催日程を2024年1月12日から2月10日と発表した[17]。これに伴い、同じくカタールで2024年1月に開催される予定だったAFC U23アジアカップ2024が2024年4月から5月開催に変更された。

予選[編集]

  本大会出場
  予選敗退国
  予選除外処分、または出場辞退

AFCは前回大会の予選同様、その前年に開催されるFIFAワールドカップ2022年大会)と予選の一部を共有する方式を採用することを想定している(ただし、FIFAが承認する必要がある)と報じられていた[18]。その後、1次予選は前回大会同様にワールドカップの予選を兼ね、ランキング下位の12チームが対戦し、勝利した6チームとランキング上位の34チーム(合計40チーム)で2次予選を行う方式であることが発表された[19]

前回大会の予選における代表選手の国籍違反に対する処分として、東ティモール代表は今大会の出場資格を剥奪されているものの、2022年FIFAワールドカップに対しては出場資格を剥奪されていないため、今大会の予選のうちワールドカップ予選を兼ねる部分については出場できる[19]

1次予選の組み合わせ抽選は2019年4月17日に行われた[19]。なお、北朝鮮代表新型コロナウイルスの感染拡大により、今大会の予選並びにワールドカップ予選を棄権した。

出場国[編集]

予選の結果、以下の国と地域が参加する。

出場国・地域 予選順位 出場決定日 出場回数 最高成績
 中華人民共和国 当初開催国
(2次予選A組2位[† 1]
2019年6月4日 13大会連続 13回目 準優勝 (1984, 2004)
 日本 2次予選F組1位 2021年5月28日 10大会連続 10回目 優勝 (1992, 2000, 2004, 2011)
 シリア 2次予選A組1位 2021年6月7日 2大会連続 7回目 グループステージ (1980, 1984, 1988, 1996, 2011, 2019)
 カタール 開催国
2次予選E組1位
2021年6月7日 7大会連続 11回目 優勝 (2019)
 韓国 2次予選H組1位 2021年6月9日 8大会連続 15回目 優勝 (1956, 1960)
 オーストラリア 2次予選B組1位 2021年6月11日 5大会連続 5回目 優勝 (2015)
 イラン 2次予選C組1位 2021年6月15日 15大会連続 15回目 優勝 (1968, 1972, 1976)
 サウジアラビア 2次予選D組1位 2021年6月15日 11大会連続 11回目 優勝 (1984, 1988, 1996)
 アラブ首長国連邦 2次予選G組1位 2021年6月15日 6大会連続 11回目 準優勝 (1996)
 イラク 2次予選C組2位 2021年6月15日 7大会連続 9回目 優勝 (2007)
 オマーン 2次予選E組2位 2021年6月15日 3大会連続 5回目 ベスト16 (2019)
 ベトナム 2次予選G組2位 2021年6月15日 2大会連続 3回目[† 2] ベスト8 (2007, 2019)[† 2]
 レバノン 2次予選H組2位 2021年6月15日 2大会連続 3回目 グループステージ (2000, 2019)
 ヨルダン 3次予選A組1位 2022年6月14日 4大会連続 5回目 ベスト8(2004, 2011
 インドネシア 3次予選A組2位 2022年6月14日 4大会ぶり 5回目 グループステージ (1996, 2000, 2004, 2007)
 パレスチナ 3次予選B組1位 2022年6月14日 3大会連続 3回目 グループステージ (2015, 2019)
 ウズベキスタン 3次予選C組1位 2022年6月14日 8大会連続 8回目 4位(2011
 タイ 3次予選C組2位 2022年6月14日 2大会連続 8回目 3位(1972
 インド 3次予選D組1位 2022年6月14日 2大会連続 5回目 準優勝 (1964)
 香港 3次予選D組2位 2022年6月14日 14大会ぶり 4回目 3位(1956
 バーレーン 3次予選E組1位 2022年6月14日 6大会連続 7回目 4位(2004
 マレーシア 3次予選E組2位 2022年6月14日 4大会ぶり 4回目 グループステージ (1976, 1980, 2007)
 タジキスタン 3次予選F組1位 2022年6月14日 初出場
 キルギス 3次予選F組2位 2022年6月14日 2大会連続 2回目 ベスト16 (2019)
  1. ^ 当予選は2次予選までが2022 FIFAワールドカップアジア予選も兼ねるため、当初アジアカップの開催国となっていた中国も予選に参加した。AFCアジアカップ2023 (予選)を参照。
  2. ^ a b 南ベトナムとしては2度(1956年大会1960年大会)出場、最高成績は4位である。

開催地[編集]

2023年4月5日、AFCにより本大会が開催される8つの会場が発表された[20]。8つのうち6つは2022 FIFAワールドカップが開催された会場である。2023年8月21日、ルサイル・スタジアムが9つ目の会場として追加され、開幕戦と決勝戦を同会場で行うことが発表された[21]

ルサイル アル・ホール ライヤーン
ルサイル・スタジアム アル・バイト・スタジアム ハリーファ国際スタジアム アフメド・ビン=アリー・スタジアム エデュケーション・シティ・スタジアム
収容人数: 88,000 収容人数: 68,895 収容人数: 45,857 収容人数: 45,032 収容人数: 44,667
カタールでの開催都市 ドーハ周辺のスタジアム位置図
ドーハ アル=ワクラ
アル・トゥマーマ・スタジアム ジャシム・ビン・ハマド・スタジアム アブドゥッラー・ビン・ハリーファ・スタジアム アル・ジャヌーブ・スタジアム
収容人数: 44,400 収容人数: 13,030 収容人数: 10,000 収容人数: 44,325

組み合わせ抽選[編集]

本大会の組み合わせ抽選会は、2023年5月11日にドーハで行われた。ポット分けは、2023年4月6日に発表されたFIFAランキング[22]に基づき決定された[23]。括弧内はFIFAランキング。

ポット1 ポット2 ポット3 ポット4
  1.  カタール (61) (開催国)
  2.  日本 (20)
  3.  イラン (24)
  4.  韓国 (27)
  5.  オーストラリア (29)
  6.  サウジアラビア (54)
  1.  インド (101)
  2.  タジキスタン (109)
  3.  タイ (114)
  4.  マレーシア (138)
  5.  香港 (147)
  6.  インドネシア (149)

抽選結果[編集]

出場チームはグループAからグループFに分けられた。AFCアジアカップ史上初めて、最下位ポットのチームから最初に抽選された。対戦順を決めるグループ内でのポジションは前回大会ではボットと同じ番号が自動的に割り当てられたが、今大会ではポット1のチームは従来通り、グループの最初のポジションに割り当てられるが、他の3チームは抽選により2番目から4番目のポジションにそれぞれ割り当てられた。

チーム編成[編集]

各国は18人から26人の選手を登録しなければならず、内3人はGK登録でなければならない[24]。なお、当初登録選手は最大23名となる予定であったが[25]、2023年12月のレギュレーション変更により最大26名となった。ただし、試合ごとのエントリーは最大23名(交代要員最大12名)である。

グループステージ[編集]

24チームが4チームずつ6組に分かれて総当たり戦を行う。各グループ上位2チームと3位のうち上位4チームがノックアウトステージ(決勝トーナメント)に進出する。日時はすべてカタールの現地時間 (UTC+3)。

順位決定方法[編集]

総当たり戦において勝利したチームは勝ち点3、引き分けは1、敗戦は0点加算される。各グループ内で2チーム以上が総勝点で並んだ場合、以下の順番で順位が決定される。

  1. 当該チーム間の対戦における勝点
  2. 当該チーム間の対戦における得失点差
  3. 当該チーム間の対戦における得点数
  4. グループステージ全試合における得失点差
  5. グループステージ全試合における総得点
  6. 当該チームが同会場にいる場合はPK戦 (2チームが同勝点の場合のみ)
  7. カード(警告または退場)の数をポイント化し少ない順 (1点:イエローカード1枚、3点:イエロー2枚による退場、一発レッドカードによる退場、4点:イエロー後、2枚目のカードがイエローではなくレッドによる退場)
  8. 抽選

グループA[編集]

チーム 出場権
1  カタール (H) 3 3 0 0 5 0 +5 9 ノックアウトステージに進出
2  タジキスタン 3 1 1 1 2 2 0 4
3  中華人民共和国 3 0 2 1 0 1 −1 2
4  レバノン 3 0 1 2 1 5 −4 1
出典: AFC
順位の決定基準: グループステージ 順位決定方法
(H) 開催地.
カタール 3 - 0 レバノン
レポート


グループB[編集]

チーム 出場権
1  オーストラリア 3 2 1 0 4 1 +3 7 ノックアウトステージに進出
2  ウズベキスタン 3 1 2 0 4 1 +3 5
3  シリア 3 1 1 1 1 1 0 4
4  インド 3 0 0 3 0 6 −6 0
出典: AFC
順位の決定基準: グループステージ 順位決定方法


グループC[編集]

チーム 出場権
1  イラン 3 3 0 0 7 2 +5 9 ノックアウトステージに進出
2  アラブ首長国連邦 3 1 1 1 5 4 +1 4
3  パレスチナ 3 1 1 1 5 5 0 4
4  香港 3 0 0 3 1 7 −6 0
出典: AFC
順位の決定基準: グループステージ 順位決定方法


グループD[編集]

チーム 出場権
1  イラク 3 3 0 0 8 4 +4 9 ノックアウトステージに進出
2  日本 3 2 0 1 8 5 +3 6
3  インドネシア 3 1 0 2 3 6 −3 3
4  ベトナム 3 0 0 3 4 8 −4 0
出典: AFC
順位の決定基準: グループステージ 順位決定方法


日本 3 - 1 インドネシア
レポート

グループE[編集]

チーム 出場権
1  バーレーン 3 2 0 1 3 3 0 6 ノックアウトステージに進出
2  韓国 3 1 2 0 8 6 +2 5
3  ヨルダン 3 1 1 1 6 3 +3 4
4  マレーシア 3 0 1 2 3 8 −5 1
出典: AFC
順位の決定基準: グループステージ 順位決定方法
韓国 3 - 1 バーレーン
レポート


グループF[編集]

チーム 出場権
1  サウジアラビア 3 2 1 0 4 1 +3 7 ノックアウトステージに進出
2  タイ 3 1 2 0 2 0 +2 5
3  オマーン 3 0 2 1 2 3 −1 2
4  キルギス 3 0 1 2 1 5 −4 1
出典: AFC
順位の決定基準: グループステージ 順位決定方法


各グループ3位の順位表[編集]

各グループの3位のチームから、上位4チームがノックアウトステージに進出する。

チーム 出場権
1 E  ヨルダン 3 1 1 1 6 3 +3 4 ノックアウトステージに進出
2 C  パレスチナ 3 1 1 1 5 5 0 4
3 B  シリア 3 1 1 1 1 1 0 4
4 D  インドネシア 3 1 0 2 3 6 −3 3
5 F  オマーン 3 0 2 1 2 3 −1 2
6 A  中華人民共和国 3 0 2 1 0 1 −1 2
出典: AFC
順位の決定基準: 1) 勝ち点; 2) 得失点差; 3) 得点数; 4) フェアプレーポイント; 5) 抽選
ノックアウトステージでの対戦相手
3位の組合せ A組1位 B組1位 C組1位 D組1位
A B C D C D A B
A B C E C A B E
A B C F C A B F
A B D E D A B E
A B D F D A B F
A B E F E A B F
A C D E C D A E
A C D F C D A F
A C E F C A F E
A D E F D A F E
B C D E C D B E
B C D F C D B F
B C E F E C B F
B D E F E D B F
C D E F C D F E
  確定した組み合わせ

ノックアウトステージ[編集]

フォーマット[編集]

ノックアウトステージでは、90分が終了した時点で同点ならば、30分の延長戦が行われ、延長戦が終了した時点でも同点ならばPK戦を行う(3位決定戦は行わない)。

進出チーム[編集]

6つの各グループから上位2チーム及びグループB・C・D・E各グループ3位からノックアウトステージに進出した。

グループ グループ1位 グループ2位 グループ3位
A  カタール  タジキスタン N/A
B  オーストラリア  ウズベキスタン  シリア
C  イラン  アラブ首長国連邦  パレスチナ
D  イラク  日本  インドネシア
E  バーレーン  韓国  ヨルダン
F  サウジアラビア  タイ N/A

トーナメント表[編集]

 
ラウンド16準々決勝準決勝決勝
 
              
 
1月28日 – ライヤーン (アフメド・ビン=アリー)
 
 
 タジキスタン (p)1 (5)
 
2月2日 – ライヤーン (アフメド・ビン=アリー)
 
 アラブ首長国連邦1 (3)
 
 タジキスタン0
 
1月29日 – ライヤーン (ハリーファ)
 
 ヨルダン1
 
 イラク2
 
2月6日 – ライヤーン (アフメド・ビン=アリー)
 
 ヨルダン3
 
 ヨルダン2
 
1月28日 – ドーハ (ジャシム・ビン・ハマド)
 
 韓国0
 
 オーストラリア4
 
2月2日 – アル=ワクラ
 
 インドネシア0
 
 オーストラリア1
 
1月30日 – エデュケーション・シティ
 
 韓国 (延長)2
 
 サウジアラビア1 (2)
 
2月10日 – ルサイル
 
 韓国 (p)1 (4)
 
 ヨルダン1
 
1月31日 – ドーハ (アブドゥッラー・ビン・ハリーファ)
 
 カタール3
 
 イラン (p)1 (5)
 
2月3日 – エデュケーション・シティ
 
 シリア1 (3)
 
 イラン2
 
1月31日 – ドーハ (アル・トゥマーマ)
 
 日本1
 
 バーレーン1
 
2月7日 – ドーハ (アル・トゥマーマ)
 
 日本3
 
 イラン2
 
1月29日 – アル=ホール
 
 カタール3
 
 カタール2
 
2月3日 – アル=ホール
 
 パレスチナ1
 
 カタール (p)1 (3)
 
1月30日 – アル=ワクラ
 
 ウズベキスタン1 (2)
 
 ウズベキスタン2
 
 
 タイ1
 


ラウンド16[編集]






サウジアラビア 1 - 1 (延長) 韓国
レポート
PK戦
2 - 4