フードD

株式会社豊月
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
053-0815
北海道苫小牧市永福町1丁目1-17
北緯42度37分09秒 東経141度32分47秒 / 北緯42.61917度 東経141.54639度 / 42.61917; 141.54639座標: 北緯42度37分09秒 東経141度32分47秒 / 北緯42.61917度 東経141.54639度 / 42.61917; 141.54639
設立 1957年7月(有限会社豊月菓子舗)
※創業:1948年10月
業種 小売業
法人番号 7430001048641
事業内容 スーパーマーケット
代表者 豊岡憲治(社長)※2016年現在[1]
資本金 9,800万円
売上高 202億円(2010年1月期)
従業員数 983名(2008年1月末現在)
外部リンク http://www.food-d.jp/
特記事項:特記ないものは、公式サイトの会社概要ならびに公式サイトの会社沿革による。
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フードD(フードディー)は、北海道苫小牧市に本社を置く株式会社豊月(ほうげつ)が運営するスーパーマーケットチェーンである。セルコグループCGCグループの加盟店。

概要[編集]

北海道道央圏を中心に店舗を展開している独立系のスーパーマーケット。出店数は11店(2023年現在)[2]苫小牧港から引き揚げた魚介類や地元農家からの朝どり野菜など、鮮度の高い生鮮商品を売りにしている[2][3]。 生鮮や惣菜の売り場は対面式[4][5]。LISTA店など高質系の店舗では惣菜部門にホテルで修行したシェフを招聘し、シェフ監修のメニューを販売している[3][4][5]

現社長、豊岡憲治の両親が戦後の混乱の中、菓子店を始めた。 実家の菓子店は一番弟子に引き継がれ、両親は戸板に野菜や雑貨を置いた戸板商売で成功を収めつつあり、スーパーの原型が形づくられていた。 芦別は炭鉱閉山が進みかつての賑わいが失われていたため、憲治氏は将来発展する土地を見定め、雪が少ない苫小牧を選び、1973年11月 豊岡ストアーが苫小牧市見山町にオープンする。

やがて時代は転換点を迎える。憲治氏はいち早くディスカウント業態への転換を進めた。覚えやすくて単純な店名ということで、「フードD」に決め、苫小牧を中心にフードD1からフードD7まで店舗をチェーン化していった。

2007年には、それまでのディスカウント一辺倒からクォリティにも力点を置く「Q&D(クォリティ&ディスカウント)」に修正、フードDの店名に新たな食彩館を付け足し、イメージを摺り足で変えていく戦略を導入[6]

2009年10月、2階建て約3300㎡倉庫付きの旧北酒連道南支社跡を取得し、営業本部を澄川店2階から移転した。営業本部はこれまでも販売管理や商品の入出庫など一部本社機能を担っていたが、移転を機に、経理や労務管理も集約。取得建物の大半が倉庫で物流機能も備え、大量仕入れが可能になり、価格に反映させたいとした[7]

2011年澄川食彩館を激安店のフードDザ・プライスに転換[8]。2014年 同一商圏内で競合店と差別化するには、価格よりも生鮮、デリカで顧客の満足度を高めるのが必要と判断し、高質化店舗のOASISへ転換した[9]

2016年、同業者やドラッグストア、家電量販店などによるグローサリー食品の低価格販売により、中間層の顧客争奪戦が繰り広げられていることから、生鮮の強いDS店なら低価格競争の中で差別化できるとの判断で、OASISをEDLPのフードD365OASISに転換[10]。他店舗も順次、転換を進めた。

その後は既存店の建て替えも進められ、2017年に双葉店を2020年に見山店を建て替え、OASISも建て替え予定である[10][11][12]

2023年3月31日に、芦別本店を閉店した。 同社にとって飛び地の店舗だったが、本社を芦別市に置き続けて、発祥の地の店舗として存続を図ってきた。最盛期は年間10億円あった売り上げが、現在は半分以下になったこと、それ以上に働き手の高齢化と新たな働き手を見つけられないこと、 同社創業関係者が現地におらず、店舗の運営管理に目が行き届かないことも重なり閉店を決断した[13]。そして2023年4月6日、本社を本部機能があった苫小牧市に移転[14]。これで菓子店舗時代から含めて、75年間にわたる芦別での事業展開を終えた。

沿革[編集]

  • 1948年 - 豊月菓子製造卸店として創業[15]
  • 1953年 - 食品などを扱う小売業を始める[15]
  • 1958年 - 株式会社化し、名称を豊月に変更[15]
  • 1973年 - 苫小牧市内に見山店を開店
  • 1985年 - 澄川店を開店
  • 1991年 - 双葉店を開店
  • 1993年 - 双葉店をフードD1、澄川店をフードD2に名称変更(見山店は1995年、フードD3に名称変更)
  • 1996年 - 千歳市にフードD5を開店
  • 1997年 - 芦別店をスーパーに業態転換[15]
  • 2000年 - 札幌市清田区にフードD7を開店(札幌初出店)
  • 2003年 - 北広島市に虹ヶ丘食彩館を開店
  • 2004年 - 苫小牧市内に沼ノ端生鮮館を開店
  • 2005年 - 豊岡憲治が社長就任[2]
    • フードD7を美しが丘食彩館、芦別店を芦別本店、フードD2を澄川食彩館に名称変更
  • 2006年 - フードD5を千歳食彩館に名称変更
    • 恵庭市に恵庭食彩館を開店
  • 2007年 - 移転の為沼ノ端生鮮館を閉店
    • 苫小牧市内に沼ノ端食彩館を開店
  • 2008年 - 札幌市清田区に平岡食彩館を開店
    • レジ袋有料化[16]
  • 2010年 - 江別市内にフードD LISTAを開店(LISTAはラテン語で「メニュー」の意)[3]
    • 苫小牧市内にフードD Vianを開店
  • 2011年 - 美しが丘食彩館をフードD Value、澄川食彩館をフードD ザ・プライスに名称変更
    • 札幌市手稲区にフードD BOSCOを開店
  • 2014年 - フードD ザ・プライスをフードD OASISに名称変更
  • 2016年 - フードD OASISをフードD 365OASIS、フードD ValueをフードD 365Valueに名称変更
  • 2017年 - 平岡食彩館をフードD 365平岡店、虹ヶ丘食彩館をフードD 365虹ヶ丘店、芦別本店をフードD 365芦別本店、沼ノ端食彩館をフードD 365沼ノ端店、フードD VianをフードD 365Vian、千歳食彩館をフードD 365千歳店、恵庭食彩館をフードD 365恵庭店、フードD LISTAをフードD 365LISTA、フードD BOSCOをフードD 365BOSCO、見山食彩館をフードD 365見山店に名称変更
  • 2020年 - 建て替えの為365見山店を閉店[19]
    • 店舗賃借期間満了の為365Vian店を閉店[20]
    • 苫小牧市内にフードD エクスプレス見山店を開店[21]
  • 2023年
    • 3月31日 - 365芦別本店が閉店[15]
    • 4月6日 - 本社を芦別市南2条東1丁目5-2(365芦別本店所在地)から苫小牧市永福町1丁目1-17(従前からの本部所在地)へ移転[14]

店舗[編集]

※店名の頭にある365は「さんろくご」と読む。

苫小牧市
  • 365双葉店(道央市民生協閉店後の跡地に出店。旧フードD1→双葉食彩館→建て替え)
  • 365OASIS(-オアシス)店(旧フードD2→澄川食彩館→ザ・プライス→OASIS(オアシス))
  • エクスプレス見山店(旧フードD3→見山食彩館→365見山店→建て替え)
  • 365沼ノ端店(旧沼ノ端食彩館)
千歳市
  • 365千歳店(旧フードD5→千歳食彩館)
恵庭市
  • 365恵庭店(旧恵庭食彩館)
北広島市
  • 365虹ヶ丘店(旧虹ヶ丘食彩館)
札幌市
江別市
  • 365LISTA(-リスタ)店(旧LISTA(リスタ))

閉店した店舗[編集]

苫小牧地区
  • 豊月ストア弥生店[22] 苫小牧市弥生町2丁目17
  • 豊月ストア錦岡店[23] 苫小牧市明徳町4丁目6-1
  • 沼ノ端生鮮館 - 2007年閉店。沼ノ端食彩館へのスクラップアンドビルド
    • 跡地にはホクレンショップ沼ノ端店が開店したものの、2013年4月1日に建て替えのため閉店[24]、2013年12月5日に再開業した[25]
  • 365Vian(-ビアン)店 - 2020年8月31日閉店。スーパーバルス(志賀綜合食料品店)閉店後の居抜き出店であった。当初は「Vian店」であった。賃借契約の期限が来ることや、近くにマックスバリュ日新店が開店したことを勘案し閉店を決めた[26]
    • 閉店後もテナントのリカーショップNIKKEIと花屋は営業を続けていたが、リカーショップNIKKEIが近隣に移転し[27]、建物は解体された。跡地は2022年10月13日、ケーズデンキ苫小牧西店が開店した[28]
芦別地区
  • 豊月ストア平岸店[22] 赤平市平岸
  • 365芦別本店(旧芦別店→芦別本店)芦別市南2条東1丁目5-2、2023年3月31日閉店

関連項目[編集]

出典[編集]

  1. ^ 豊月・豊岡憲治社長インタビュー「フードD365でディスカウント強化」”. 北海道リアルエコノミー (2016年11月14日). 2021年8月25日閲覧。
  2. ^ a b c “いんたびゅー=豊月社長 豊岡憲治さん 独立系スーパー 戦略は 生鮮と「高質化」に注力”. 北海道新聞 朝刊5面. (2014年3月23日) 
  3. ^ a b c “豊月 高品質SMの新業態 「フードD・LISTA」オープン”. 日本食糧新聞 朝刊14面. (2010年9月29日) 
  4. ^ a b 有力地場チェーンが健闘 東日本流通業界”. 食品産業新聞 (2012年9月6日). 2015年4月13日閲覧。
  5. ^ a b 【特集】+(プラス)高質路線”. フードくるむ Vol.20. 2015年4月13日閲覧。
  6. ^ 食品スーパー「フードD」草創期、豊岡憲治社長が時代を切り取った系譜”. 北海道リアルエコノミー. 2022年1月24日閲覧。
  7. ^ スーパー豊月が苫小牧に本社機能を集約:苫小牧民報社”. web.archive.org (2013年5月15日). 2023年6月14日閲覧。
  8. ^ 豊月が苫小牧澄川町の既存店業態変更、激安食品スーパー「フードDザ・プライス」をオープン”. 北海道リアルエコノミー. 2022年1月24日閲覧。
  9. ^ 豊月が苫小牧市澄川町の店舗をリニューアル、「フードD OASIS」が10日午前9時オープン”. 2022年1月24日閲覧。
  10. ^ a b 苫小牧市の「フードD365見山店」、500坪級中型店へ建て替え”. 北海道リアルエコノミー. 2022年10月27日閲覧。
  11. ^ a b 豊月が苫小牧市の「フードD双葉食彩館」建て替え 2017年7月新店舗オープン予定”. 北海道リアルエコノミー (2016年12月4日). 2017年3月16日閲覧。
  12. ^ 「フードD」の豊月、21年1月期は売上高2%増、経常益60%増”. 北海道リアルエコノミー. 2022年10月27日閲覧。
  13. ^ 発祥の「芦別本店」を3月末閉店、食品スーパー「フードD」の豊月が決断”. 北海道リアルエコノミー. 2023年2月18日閲覧。
  14. ^ a b 株式会社豊月の情報”. 国税庁法人番号公表サイト. 2023年5月15日閲覧。
  15. ^ a b c d e “「フードD芦別」閉店 創業の地で惜しむ声”. 北海道新聞. (2023年4月1日). オリジナルの2023年4月2日時点におけるアーカイブ。. https://archive.md/PESED 2023年4月2日閲覧。 
  16. ^ レジ袋有料化さらに3社”. 苫小牧民報社 (2008年6月13日). 2015年4月8日閲覧。
  17. ^ “双葉のフードD きょう新装開店 生鮮品コーナー充実【苫小牧・日高】”. 北海道新聞 朝刊18面. (2017年10月5日) 
  18. ^ 豊月、CGCに正式加盟”. リアルエコノミー (2017年10月17日). 2017年11月5日閲覧。
  19. ^ フードD | 店舗情報 365見山食彩館”. フードD. 2020年3月9日閲覧。
  20. ^ 豊月、苫小牧日新町「フードD365Vian店」を31日に閉店”. リアルエコノミー (2020年8月30日). 2020年9月1日閲覧。
  21. ^ 豊月が「フードDエクスプレス見山店」(苫小牧市)建て替えオープン”. リアルエコノミー (2020年10月9日). 2020年10月12日閲覧。
  22. ^ a b 『日本スーパーマーケット名鑑 1986年版』商業界、1985年12月、75頁。 
  23. ^ ゼンリン住宅地図 苫小牧市<西部版> 1996. ゼンリン. (1995年9月). p. 20 
  24. ^ 「ホクレンショップ沼ノ端店」(苫小牧市)が4月1日から休業し12月再オープン、新築される高齢者専用住宅の1階にテナント入居”. 北海道リアルエコノミー (2013年3月15日). 2023年7月5日閲覧。
  25. ^ ホクレンショップ沼ノ端店建て替えオープン、年間売上高目標は約10億円と旧店舗とほぼ同じ”. 北海道リアルエコノミー (2013年12月6日). 2023年7月5日閲覧。
  26. ^ 豊月、苫小牧日新町「フードD365Vian店」を31日に閉店”. 北海道リアルエコノミー. 2022年10月26日閲覧。
  27. ^ 【苫小牧市】オープン日は未定ですが、これから市内で新しくオープンするお店の情報です。”. 号外NET 苫小牧市(胆振総合振興局) (2022年4月9日). 2022年10月26日閲覧。
  28. ^ ケーズテンキは苫小牧2店舗目、「苫小牧西店」10月13日オープン”. 北海道リアルエコノミー. 2022年10月26日閲覧。

外部リンク[編集]