服部勇馬

服部 勇馬
Yuma HATTORI
Portal:陸上競技
マラソングランドチャンピオンシップ
(2019年9月15日撮影)
選手情報
フルネーム 服部 勇馬
ラテン文字 Yuma HATTORI
国籍 日本の旗 日本
競技 陸上競技
種目 長距離走マラソン
所属 トヨタ自動車
大学 東洋大学経済学部経済学科卒業
生年月日 (1993-11-13) 1993年11月13日(30歳)
出身地 新潟県の旗新潟県中魚沼郡中里村(現:十日町市
身長 176cm
体重 61kg
自己ベスト
1500m 3分51秒13(2017年)
3000m 8分13秒13(2012年)
5000m 13分36秒76(2015年)
10000m 27分47秒55(2020年)
ハーフマラソン 1時間01分24秒(2022年)
30km 1時間28分52秒(2014年)、(※日本学生記録)
マラソン 2時間07分27秒(2018年)
編集 テンプレートのヘルプを表示する

服部 勇馬(はっとり ゆうま、1993年11月13日 - )は、日本陸上競技選手。新潟県中魚沼郡中里村(現:十日町市)出身[1]仙台育英高等学校卒業。東洋大学経済学部卒業。 トヨタ自動車所属。NTT西日本に在籍している服部弾馬は1歳下の弟。 妻は中京テレビアナウンサー平山雅[2][3]

来歴・人物[編集]

  • 十日町市立中里中学校3年生の時に全日本中学陸上の1500m決勝で7位入賞。
  • 弟・弾馬と共に全国中学駅伝出場を目指したが、あと一歩の所で出場を逃した。
  • 仙台育英高校3年時に出場した2011年北上インターハイ5000mで5位入賞。日本人選手に限って見れば4位に入った作新学院高校横手健に次ぐ2位であった[4]。しかし、最終学年で迎えた全国高校駅伝では脱水症状となり力が発揮できずに終わった。
  • 高校卒業後は東洋大学に進学。初年度から駅伝メンバーとして活躍。2年時の出雲駅伝では5区を担当し区間記録を樹立した。(記録:17分54秒)
  • 第90回箱根駅伝では5区にまわった当時の主将・設楽啓太に代わりエース区間2区を担当し区間3位の好走。東洋大学の往路優勝・総合優勝に貢献した。[5]
  • 2014年に開催された第58回熊日30kmロードレースにおいて、1時間28分52秒で優勝を果たし、前年の熊日30kmロードレースで設楽啓太が打ち立てた学生新記録を更新した。(記録:1時間28分52秒)[6]
  • 第91回箱根駅伝では前年に引き続き2区を担当し、村山謙太駒澤大学)・村山紘太城西大学)兄弟をはじめとする各校のエースを抑え区間賞を獲得した。
  • 2015年2月に開催された東京マラソンに出場予定であったがアキレス腱痛の影響により出場を見送った[7]
  • 2015年7月に開催されたホクレンディスタンスチャレンジ北見大会で5000m-13分36秒76の東洋大新記録を樹立。同大会の1500mに出場し東洋大新記録を打ち立てた弟の服部弾馬とともに兄弟で東洋大記録保持者となった。
  • 2015年11月に開催された第47回全日本大学駅伝では1区を担当し3位まで同秒ながら区間賞を獲得し、2区を担当する弟の弾馬タスキを繋いだ。弾馬も勇馬に続き区間賞を獲得し兄弟での区間賞リレーとなった。「脱服部兄弟」をスローガンに掲げた東洋大学はその後も3区を担当した口町亮の区間賞・MVP受賞の快走などエースに頼らない走りを個々人が見せ、最終8区まで優勝候補筆頭と言われた青山学院大学と先頭を争った。そして最終的には8区を担当した上村和生が青山学院のエース山の神・神野大地を大きく突き放し、初の駅伝全国一位の称号を掴んだ[8]
  • 自身にとって最後の箱根駅伝となる第92回箱根駅伝では3年連続となるエース区間2区を担当。日本人選手としては早稲田大学OBの渡辺康幸以来20年ぶりとなる箱根駅伝2区2年連続区間賞獲得という偉業を成し遂げるも、優勝校の青山学院は完全優勝してと、首位交代は果たせなかった。[9]
  • 2016年2月、前年は直前で欠場を決めた東京マラソンで1年越しのマラソンデビューを果たす。35キロ地点でそれまで日本人トップを独走していた村山謙太を抜き一時日本人トップに立つも、40キロ付近で失速。駅伝のライバルチームである青山学院大学下田裕太一色恭志にも抜かれ、全体の12位(日本人4位)でゴールした[10]
  • 大学卒業後はトヨタ自動車に入社し、上半期は大会に出ることなく、出遅れたが、下半期の大会では自己ベストに近いタイムを出し続けた。
  • 同年11月に開催された中部実業団駅伝競走では、最長区間の4区を任され、ルーキーながら堂々たる走りをし、50分32秒と区間賞をとり、チームの大会新記録優勝に大きく貢献した。
  • 2017年の真の王者を決める全日本実業団対抗駅伝競走大会では、花の4区を任され、3区で20人抜きの力走をした大石港与から襷を貰うと、すぐに日立物流日下佳祐を抜いて、その後は暫く大学の先輩でHonda設楽悠太と並走するも、12km地点で競り勝ち、1人抜きの快走を魅せたが、チームは2位と惜しくも3連覇とはならなかった。
  • 同年2月の東京マラソン2017では、コースが変わり、結果は日本人4位と世界選手権の座を掴むことはできなかったものの、サブ10切りを達成した。
  • 2018年12月2日に行われた福岡国際マラソンにおいて、男子マラソン日本歴代8位(当時)となる2時間07分27秒の好記録で、2004年大会の尾方剛以来、14年ぶりとなる日本人選手優勝を果たした。それに伴い、2020年東京オリンピック選考会であるMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)の出場権を獲得した[11]
  • 2019年9月15日に開催されたマラソングランドチャンピオンシップへ出場。号砲直後から独走となった、男子マラソン・前日本記録保持者の設楽悠太にはついていかず、第2集団で待機する。レース終盤になると、極端にペースダウンした設楽を37Km過ぎで逆転し、その後は中村匠吾と男子マラソン・現日本記録保持者の大迫傑らと凄まじいデッドヒートを繰り広げた。39.5Km付近でラストスパートを仕掛けた中村から徐々に引き離されるも、2位争いでは大迫とゴール直前まで激しく競り合ったが、42Km手前で服部が3位と成った大迫を突き放す。結果、優勝した中村とは8秒の差で総合2位に入り、中村と共に2020年東京オリンピック・男子マラソン日本代表へ即内定となった[12][13][14][15]
  • 2021年8月8日、2020年東京オリンピック男子マラソンでは2時間30分08秒で73位だった[16]。20km付近までは先頭集団に食らいついていたものの、中間手前から大きく失速。ゴール直前にはジョギング程度のスピードまで落ち、左太腿付近が痙攣していた。足を引きずるようにゴールした直後、車椅子で医務室へ搬送されたところ、深部体温が40度以上の重い熱中症が見られた[17][18]

服部勇馬のマラソン記録[編集]

5 km 10 km 15 km 20 km ハーフ 25 km 30 km 35 km 40 km ゴール
タイム 15:04 30:10 45:13 1:00:16 1:03:37 1:15:19 1:30:55 1:46:12 2:00:52 2:07:27
スプリット 15:04 15:06 15:03 15:03 15:03 15:36 15:17 14:40 06:35

成績・記録[編集]

トラック・ハーフ戦績[編集]

大会
種目
順位
記録
備考
2012 関東私学五大学対校陸上競技選手権大会 3000m 3位 8分13秒13 自己ベスト
2012 日本ジュニア・ユース陸上競技選手大会 5000m 5位 14位26秒00
2014 熊本城マラソン 30 km 優勝 1時間28分52秒 学生新記録
2014 関東インカレ 10000m 6位 29分09秒65
2014 関東インカレ 5000m 7位 13分53秒33
2014 日本インカレ 5000m 4位 13分53秒84
2014 小江戸川越ハーフマラソン ハーフマラソン 優勝 1時間03分37秒
2015 関東インカレ 5000m 4位 13分52秒82
2015 日体大長距離記録会 1500m 7位 3分51秒45
2015 ホクレン・ディスタンスチャレンジ北見 5000m 4位(日本人1位) 13分36秒76 自己ベスト
2015 ホクレン・ディスタンスチャレンジ網走 10000m 7位(日本人5位) 28分09秒02 自己ベスト
2016 全日本実業団対抗陸上競技選手権大会 5000m 7位(日本人2位) 13分47秒33
2016 中部実業団対抗陸上競技選手権大会 10000m 7位(日本人1位) 28分09秒74
2017 日体大長距離記録会 5000m 15位(日本人7位) 14分04秒64
2017 ゴールデンゲームズinのべおか 10000m 10位 29分27秒18
2017 中部実業団対抗陸上競技大会 1500m 6位 3分51秒13 自己ベスト
2017 第101回日本陸上競技選手権大会 10000m 10位 28分54秒91
2017 ホクレンディスタンスチャレンジ網走 10000m A 11位 28分26秒40
2018 金栗杯玉名ハーフマラソン大会 ハーフマラソン 2位 1時間03分06秒
2018 ウスディハーフマラソン ハーフマラソン 6位(日本人トップ) 1時間01分40秒 自己ベスト
※歴代記録は当時の記録

マラソン全戦績[編集]

大会 順位 記録 備考
2016 東京マラソン2016 12位(日本人4位) 2時間11分46秒 初マラソン
2017 東京マラソン2017 13位(日本人4位) 2時間09分46秒 初のサブ10
2018 プラハマラソン 5位(日本人1位) 2時間10分26秒
2018 福岡国際マラソン 優勝 2時間07分27秒 自己ベスト記録・日本歴代8位(当時)
2019 マラソングランドチャンピオンシップ 2位(日本人2位) 2時間11分36秒 東京オリンピックマラソン選考会・日本代表内定
2021 東京オリンピックマラソン 73位(日本人3位) 2時間30分08秒
2022 プラハマラソン 9位(日本人1位) 2時間18分06秒

駅伝戦績[編集]

大学駅伝[編集]

学年
出雲駅伝
全日本大学駅伝
箱根駅伝
1年生
(2012年度)
第24回
2区-区間2位
23分36秒
第44回
8区-区間6位
59分28秒
第89回
9区-区間3位
1時間11分02秒
2年生
(2013年度)
第25回
5区-区間賞
17分54秒(区間新)
第45回
2区-区間4位
38分23秒
第90回
2区-区間3位
1時間08分43秒
3年生
(2014年度)
第26回
3区エントリー
大会中止
第46回
2区-区間賞
38分12秒
第91回
2区-区間賞
1時間07分32秒
4年生
(2015年度)
第27回
2区-区間3位
16分03秒
第47回
1区-区間賞
43分11秒
第92回
2区-区間賞
1時間07分04秒
歴代5位タイ

実業団駅伝戦績[編集]

年度 大会 所属 区間 区間順位 記録 総合順位
2016年度
(入社1年目)
第56回中部・北陸実業団対抗駅伝競走大会 トヨタ自動車 4区 区間賞 50分32秒 トヨタ自動車優勝*
第61回全日本実業団対抗駅伝競走大会 4区 区間5位 1時間03分18秒 トヨタ自動車2位
2017年度
(入社2年目)
第57回中部・北陸実業団対抗駅伝競走大会
出走なし
トヨタ自動車優勝*
第62回全日本実業団対抗駅伝競走大会
出走なし
トヨタ自動車3位
2018年度
(入社3年目)
第58回中部・北陸実業団対抗駅伝競走大会
出走なし
トヨタ自動車優勝
第63回全日本実業団対抗駅伝競走大会 5区 区間賞 45分47秒 トヨタ自動車3位
2019年度
(入社4年目)
第59回中部・北陸実業団対抗駅伝競走大会 7区 区間賞 34分39秒 トヨタ自動車A優勝
第64回全日本実業団対抗駅伝競走大会 5区 区間3位 45分51秒 トヨタ自動車2位
*は区間順位の場合は区間新記録、総合順位の場合は大会新記録

自己ベスト[編集]

種目 記録 大会 備考
1500m 3分51秒13 2017年5月13日 中部実業団対抗陸上競技選手権大会
3000m 8分13秒13 2012年4月8日 関東私学五大学対校陸上競技選手権大会
5000m 13分36秒76 2015年7月12日 ホクレン・ディスタンスチャレンジ北見
10000m 27分47秒55 2020年9月19日 全日本実業団対抗陸上競技選手権大会
ハーフマラソン 1時間01分40秒 2018年9月15日 ウスティハーフマラソン
30 km 1時間28分52秒 2014年2月16日 熊日30キロロードレース 学生記録、日本歴代3位
マラソン 2時間07分27秒 2018年12月2日 福岡国際マラソン 日本歴代8位(当時)

関連人物[編集]

脚注[編集]

  1. ^ “原点ここに:男子マラソン・服部勇馬”. 新潟日報. (2020年7月23日). https://www.niigata-nippo.co.jp/sports-more/olympic_tokyo/feature/genten/serial01.html 
  2. ^ a b @hattori.1113 (2022年8月8日). "ご報告…". Instagramより2022年8月8日閲覧
  3. ^ a b 服部勇馬 Yuma Hattori [@yuma_hattori] (2022年8月8日). "ご報告…". X(旧Twitter)より2022年8月8日閲覧
  4. ^ 2011 熱戦再来 北東北総体 記録集
  5. ^ 箱根駅伝公式Webサイト
  6. ^ 熊本城マラソン2014 大会結果
  7. ^ 【東京マラソン】東洋大の服部勇馬は欠場 右アキレス腱痛
  8. ^ 東洋大が初Vで青学大3冠阻止 2年ぶり箱根制覇だ 日刊スポーツ
  9. ^ 【箱根駅伝】東洋大2位 服部勇馬が20年ぶり2区2年連続区間賞:箱根駅伝:スポーツ報知
  10. ^ 東洋大・服部勇馬、終盤失速で課題痛感「体が動かなくなった」/マラソン サンケイスポーツ
  11. ^ 服部勇馬「想定通り」日本歴代8位の好タイムで初V 日刊スポーツ 2018年12月2日記事
  12. ^ 陸上:マラソングランドチャンピオンシップ 男子 スポーツナビ 2019年9月15日記事
  13. ^ 中村優勝、服部2位で東京五輪内定/男子MGC詳細◆レース速報 日刊スポーツ 2019年9月15日記事
  14. ^ 【MGC】男子のもう1枠は服部勇馬! JAAF・日本陸上競技連盟公式サイト 2019年9月15日記事
  15. ^ 五輪決めた兄ちゃん服部勇馬、3人の弟妹ら支え力に 日刊スポーツ 2019年9月15日記事
  16. ^ “大迫傑は6位、中村匠吾62位、服部勇馬73位 キプチョゲが金メダル”. 日刊スポーツ. https://www.nikkansports.com/olympic/tokyo2020/athletics/news/202108080000298.html 2021年8月8日閲覧。 
  17. ^ “服部勇馬は深部体温40度以上、執念の完走も重い熱中症…男子マラソンは湿度80%、30人棄権の過酷レースに”. 東京新聞. (2021年8月8日). https://www.tokyo-np.co.jp/article/122941 2021年8月10日閲覧。 
  18. ^ “車いすで運ばれたマラソン・服部勇馬 重い熱中症で処置受ける”. 毎日新聞. (2021年8月8日). https://mainichi.jp/articles/20210808/k00/00m/050/271000c 2021年8月10日閲覧。 

関連項目[編集]

先代
設楽啓太
30km日本学生記録
1時間28分52秒
次代
(記録保持者)
先代
高久龍
出雲駅伝5区区間記録
17分54秒
次代
安藤悠哉