長谷川

長谷川(はせがわ、ごく稀に「ながたにがわ」)

人名[編集]

日本人のひとつ。「はせがわ」と読む。

「長谷川」を「はせがわ」と読む理由はその発祥にある。歴史を遡れば古墳時代にまで遡り、当時日本の政治の中心地であった大和国(現在の奈良県)にあった初瀬はつせ)という地名が「長谷川」の由来である[1]。当時の日本では、陸上の路があまり整備されておらず、「運送」(物の運搬)と言うと水運(船による運送)が主力だったわけであるが、当時「はつせ」という言葉には、「船着場(船の発着場)」という意味があり、「はつせ」という言葉に当てる漢字としては、初瀬、泊瀬[2]、発瀬、などがあった。

「瀬(せ)」とは「(川の)水深が浅くなった場所」などという意味で、「初瀬」と名付けられた大和国にあるこの場所は、大和川が東から大和盆地に流れ下る場所にあたり、この地に都を置いた天皇貴族、昔から住んでいた豪族たちにとってこの地を流れる川付近の場所はいわば 水運のための「船着場」であったので「はつせ」と名付けられたのである。この地には「はつせがわ」「初瀬川」という川が流れていた[1]が、むしろこの地を流れる川を船着場として使うようになったので、ある時から「はつせがわ」つまり現代風に言うと「船着場 - 川」という意味の言葉で呼ぶようになった、と言ったほうがよい。なお前述のように「はつせ」に当てる漢字は数種類あったので、「はつせ がわ」に漢字を当てる方法は実際にはいくつかあり、(あくまで)そのひとつが「初瀬川」であった。

この川「はつせがわ」は長い谷の中を流れていたので、いつしか「長谷」という漢字を「はつせ」の当て字とするようになった[1]。そして、やがて「はつせ」の「つ」が省略されて発音されなくなり、「はせがわ」となったとされる[1]

異説もあり、初瀬とは別に「長谷(はせ)」という地名があり「長谷の発瀬川(はせのはつせがわ)」という呼称が出来[1]、それが縮まって「長谷川(はせがわ)」となった、とする説もある[1]

三文字姓としては、佐々木に次いでメジャーな姓である[1]

長谷川氏も参照。

地名[編集]

河川[編集]

河川の名称。

地名[編集]

日本の地名(河川以外)。

企業[編集]

日本にある企業の名称。どちらも創業者の人名に因む。

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g 高澤等、森岡浩 著『日本人の名字と家紋』プレジデント社、2017、p.13。
  2. ^ 「船を停泊(ていはく)させる」と言う時の「泊」の漢字を当てている。

関連項目[編集]