1986年最高裁判所裁判官国民審査

1986年最高裁判所裁判官国民審査(1986ねんさいこうさいばんしょさいばんかんこくみんしんさ)は、1986年昭和61年)7月6日第38回衆議院議員総選挙と共に執行された最高裁判所裁判官国民審査

総論[編集]

10人の最高裁判所裁判官に対して国民審査が行われ、全員罷免しないとされた。投票率は70.35%であった[1]

長年にわたって組織的罷免運動を行っていた日本労働組合総評議会(総評)は1986年の国民審査を最後であり、事実上の後身である日本労働組合総連合会は組織的罷免運動を行わなくなっている[2]

国民審査の結果[編集]

裁判官 罷免を可とする票 罷免を可としない票 罷免を可とする率
高島益郎 6,307,543 50,805,942 11.04%
香川保一 6,058,323 51,055,376 10.61%
大内恒夫 6,083,880 51,029,813 10.65%
島谷六郎 6,011,651 51,102,124 10.53%
矢口洪一 6,171,962 50,941,821 10.81%
藤島 昭 5,888,371 51,225,520 10.31%
林藤之輔 5,852,813 51,261,772 10.25%
佐藤哲郎 5,678,087 51,435,772 9.94%
長島 敦 5,669,218 51,444,611 9.93%
坂上壽夫 5,545,727 51,568,226 9.71%

最高裁判決における裁判官の意見[編集]

1986年7月6日までの最高裁判決における意見(意見が分かれたものに限定)。

判決日 裁判 高島
益郎
香川
保一
大内
恒夫
島谷
六郎
矢口
洪一
藤島

藤之輔
佐藤
哲郎
長島
坂上
壽夫
1984年12月12日 札幌税関検査事件の憲法判断 違憲 合憲 合憲
1985年7月17日 1983年衆院選の一票の格差(4.40倍) 違憲
選挙有効
違憲
選挙有効
違憲
選挙有効
違憲
選挙有効
1985年10月23日 福岡県青少年保護育成条例事件の憲法判断 合憲 違憲 合憲 合憲 合憲
1986年3月27日 1980年参院選の一票の格差(5.37倍) 合憲 合憲

脚注[編集]

  1. ^ 西川 2012, p. 77.
  2. ^ 西川 2012, p. 138.

参考文献[編集]

  • 西川伸一『最高裁裁判官国民審査の実証的研究 「もうひとつの参政権」の復権をめざして』(第1刷)五月書房、2012年1月27日。ISBN 978-4772704960 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]