2012年の埼玉西武ライオンズ

2012年の埼玉西武ライオンズ
成績
CS第1ステージ敗退
CS1st 1勝2敗(対ソフトバンク
パシフィック・リーグ2位
72勝63敗9分 勝率.533
本拠地
都市 埼玉県所沢市
球場 西武ドーム
球団組織
オーナー 後藤高志
経営母体 西武鉄道
監督 渡辺久信
選手会長 栗山巧
キャプテン 栗山巧
スローガン
出し切れ!ライオンズ
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2012年の埼玉西武ライオンズでは、2012年シーズンの埼玉西武ライオンズの動向をまとめる。

この年の埼玉西武ライオンズは、渡辺久信監督の5年目のシーズンである。

スローガンは「出し切れ!ライオンズ[1]

概要[編集]

開幕前

新外国人としてランディ・ウィリアムスエンリケ・ゴンザレスクリス・カーターエステバン・ヘルマンを獲得[2][3][4]広島から江草仁貴とのトレードで嶋重宣を獲得した[5]。充実した戦力から、優勝候補に挙げられていた[6]

開幕後

本拠地開幕戦となった4月4日のロッテ戦を落とすと[7]、その後も本拠地で勝てずホーム6連敗を喫した[8]。4月終盤に4連勝するも4月を8勝13敗で終え、スタートダッシュに失敗した[7][6]。特にエースの涌井秀章の不振は深刻で、開幕投手を務めた3月30日の日本ハム戦から3連敗を記録した[9]

6月に入ると先発ローテの4投手(岸孝之牧田和久石井一久西口文也)で11勝をマークするなど絶好調であったが[10]片岡易之中村剛也中島裕之栗山巧と主力が次々と離脱し、7月末まではBクラスから抜け出すことができなかった[6]

後半戦に入ると調子を上げ、8月には怒涛の6連勝を記録すると、8月19日には首位に浮上した[11]。しかし優勝マジック点灯目前で、リリーフに転向した涌井が2度の救援失敗を喫するなど9月7日から4連敗し、首位陥落[12][13]。その後も日本ハムとの激しい首位争いを繰り広げたが、9月を16勝7敗2分で終えた日本ハムに及ばず[14]、4年ぶりのリーグ制覇とはならなかった。CSでは、3位ソフトバンクに敗れファーストステージで敗退した[15]

投手陣では、牧田が先発ローテの柱となり、涌井はリリーフに転向し30セーブを挙げるなど、それぞれ安定した成績を残した[16][6]

打撃陣では、序盤の不振、ケガに泣かされた中村が27本塁打を放ち2年連続の本塁打王に輝いた。新外国人のヘルマンもチーム唯一、全試合出場しリーグ2位の41盗塁を決めるなど攻撃の柱となった[6]

チーム成績[編集]

レギュラーシーズン[編集]

開幕オーダー
1 ヘルマン
2 栗山巧
3 中島裕之
4 中村剛也
5 嶋重宣
6 浅村栄斗
7 高山久
8 炭谷銀仁朗
9 原拓也
涌井秀章
2012年パシフィック・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 最終成績
1位 日本ハム -- ロッテ -- ロッテ -- 日本ハム -- 西武 -- 日本ハム --
2位 ロッテ 2.0 日本ハム 2.0 日本ハム 2.5 ロッテ 0.5 日本ハム 1.5 西武 3.0
3位 ソフトバンク 3.5 楽天 4.5 楽天 4.5 西武 2.0 ソフトバンク 3.0 ソフトバンク 6.5
4位 楽天 5.5 ソフトバンク 6.5 西武 7.0 楽天 4.5 ロッテ 3.5 楽天 7.5
5位 オリックス 6.5 オリックス 9.0 ソフトバンク 7.5 ソフトバンク 5.0 楽天 7.5 ロッテ 10.0
6位 西武 6.5 西武 10.0 オリックス 11.0 オリックス 8.5 オリックス 14.0 オリックス 17.5
期間
成績
8勝13敗
勝率.381
9勝13敗
勝率.409
13勝7敗1分
勝率.650
12勝6敗3分
勝率.667
15勝8敗
勝率.652
15勝16敗1分
勝率.484
2012年パシフィック・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 北海道日本ハムファイターズ 74 59 11 .556 優勝
2位 埼玉西武ライオンズ 72 63 9 .533 3.0
3位 福岡ソフトバンクホークス 67 65 12 .508 6.5
4位 東北楽天ゴールデンイーグルス 67 67 10 .500 7.5
5位 千葉ロッテマリーンズ 62 67 15 .481 10.0
6位 オリックス・バファローズ 57 77 10 .425 17.5

交流戦[編集]

日本生命セ・パ交流戦2012 最終成績
順位 球団 勝率
優勝 読売ジャイアンツ 17 7 0 .708 ---
2位 北海道日本ハムファイターズ 14 8 2 .636 2.0
3位 千葉ロッテマリーンズ 12 7 5 .632 2.5
4位 中日ドラゴンズ 12 8 4 .600 3.0
5位 埼玉西武ライオンズ 13 11 0 .542 4.0
6位 広島東洋カープ 10 11 3 .476 5.5
7位 オリックス・バファローズ 10 13 1 .435 6.5
8位 阪神タイガース 9 12 3 .429 6.5
9位 東北楽天ゴールデンイーグルス 10 14 0 .417 7.0
10位 横浜DeNAベイスターズ 9 14 1 .391 7.5
11位 福岡ソフトバンクホークス 8 13 3 .381 7.5
12位 東京ヤクルトスワローズ 9 15 0 .375 8.0

クライマックスシリーズ[編集]

2012 マニュライフ生命保険 クライマックスシリーズ パ ファーストステージ
日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月13日(土) 第1戦 福岡ソフトバンクホークス 2 - 1 埼玉西武ライオンズ 西武ドーム
10月14日(日) 第2戦 福岡ソフトバンクホークス 0 - 8 埼玉西武ライオンズ
10月15日(月) 第3戦 福岡ソフトバンクホークス 3 - 2 埼玉西武ライオンズ
勝者:福岡ソフトバンクホークス

個人成績[編集]

投手成績[編集]

色付きは規定投球回数(144イニング)以上の選手































牧田和久 27 3 1 13 9 0 0 .591 178.0 175 4 108 2.43
岸孝之 26 4 1 11 12 0 0 .478 187.2 141 9 150 2.45
岡本篤志 59 0 0 1 3 2 16 .250 57.0 66 5 39 4.11
松永浩典 56 0 0 2 1 0 12 .667 40.2 44 4 31 3.54
涌井秀章 55 0 0 1 5 30 4 .167 63.0 66 1 40 3.71
ウィリアムス 55 0 0 4 3 4 29 .571 42.1 30 0 41 1.70
長田秀一郎 53 0 0 2 1 1 26 .667 46.1 28 5 26 2.53
十亀剣 41 0 0 6 0 0 9 1.000 53.0 50 4 41 2.72
石井一久 24 2 2 10 5 0 0 .667 132.1 126 14 74 3.33
大石達也 24 0 0 1 1 0 1 .500 36.0 39 2 24 2.75
野上亮磨 23 0 0 8 5 0 0 .615 115.1 128 8 49 2.97
MICHEAL 17 0 0 0 3 1 4 .000 22.0 22 1 20 2.86
ゴンザレス 16 0 0 2 5 3 0 .286 23.0 40 2 16 7.04
西口文也 14 0 0 5 2 0 0 .714 81.2 77 4 44 3.75
菊池雄星 14 0 0 4 3 1 0 .571 81.1 75 5 57 3.10
武隈祥太 14 0 0 1 2 0 2 .333 31.2 34 2 17 4.83
小石博孝 9 0 0 1 1 0 0 .500 22.1 18 1 7 4.03
木村文紀 8 0 0 0 0 0 0 .000 14.0 13 0 6 4.50
星野智樹 6 0 0 0 0 0 0 .000 3.1 7 0 4 10.80
田中靖洋 5 0 0 0 0 0 0 .000 8.1 10 1 6 6.48
山本淳 4 0 0 0 1 0 0 .000 9.2 12 1 3 6.52
平野将光 3 0 0 0 0 0 0 .000 14.0 19 3 5 3.21
藤田太陽 3 0 0 0 0 0 0 .000 3.2 9 2 3 14.73
宮田和希 3 0 0 0 0 0 0 .000 2.3 0 0 4 0.00
岡本洋介 1 0 0 0 0 0 0 .000 3.0 7 0 1 15.00
藤原良平 1 0 0 0 0 0 0 .000 2.1 8 1 0 19.29

野手成績[編集]

色付きは規定打席(447打席)以上の選手





















中島裕之 136 567 499 69 155 29 1 13 74 7 1 6 76 .311 .382
秋山翔吾 107 450 403 50 118 17 8 4 37 10 15 1 70 .293 .343
栗山巧 103 467 394 57 114 17 1 2 33 3 12 3 62 .289 .378
ヘルマン 144 583 507 55 137 20 4 3 60 41 10 5 75 .270 .346
浅村栄斗 114 459 404 52 99 18 7 7 37 13 13 4 63 .245 .331
中村剛也 123 498 432 54 100 16 1 27 79 2 0 1 125 .231 .331
炭谷銀仁朗 139 414 360 23 70 12 1 0 23 0 35 1 74 .194 .232
熊代聖人 109 133 115 14 31 2 0 0 6 2 12 1 30 .270 .298
大崎雄太朗 107 298 260 22 70 15 1 1 22 1 10 4 27 .269 .326
原拓也 86 138 113 12 19 4 0 0 3 1 7 1 22 .233 .297
上本達之 74 130 116 10 27 3 0 2 11 0 2 1 31 .330 .297
星秀和 71 115 100 12 19 4 0 1 9 3 11 1 16 .190 .212
オーティズ 64 214 199 20 57 8 0 9 21 0 0 0 38 .286 .336
カーター 59 138 126 9 37 8 0 4 27 0 0 1 22 .294 .348
鬼崎裕司 57 22 17 4 2 0 1 0 0 0 3 0 4 .118 .211
片岡易之 52 231 204 26 46 6 1 2 19 8 7 4 30 .225 .277
高山久 35 57 54 6 11 1 0 1 4 1 0 0 17 .204 .246
米野智人 32 64 58 3 12 1 0 1 6 0 1 0 17 .207 .270
斉藤彰吾 29 27 27 2 6 2 0 0 0 0 0 0 11 .222 .222
星孝典 29 23 21 2 3 0 0 0 0 1 0 2 4 .143 .182
嶋重宣 27 82 74 2 13 2 0 1 7 0 0 1 11 .176 .244
永江恭平 27 34 27 0 1 0 0 0 0 0 7 0 11 .037 .037
坂田遼 16 50 44 4 10 0 0 0 3 0 2 0 12 .227 .292
阿部真宏 14 18 14 0 0 0 0 0 0 0 3 0 1 .000 .067
平尾博嗣 12 16 15 0 2 0 0 0 2 0 0 0 3 .133 .188
佐藤友亮 12 16 14 0 1 0 0 0 0 0 2 0 1 .071 .071
木村文紀 8 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000 .000
石川貢 7 10 9 1 2 0 0 0 0 2 0 0 2 .000 .500
大島裕行 5 9 9 1 2 1 0 0 0 0 0 0 3 .222 .222
林﨑遼 5 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 .000 .000
田代将太郎 5 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 3 .000 .000
中田祥多 2 3 3 1 0 0 0 0 0 0 0 0 3 .000 .000
  • 太字はリーグ最高

タイトル・表彰[編集]

達成記録[編集]

入団・退団[編集]

シーズン開幕前[編集]

本節では、前シーズン終了後から本シーズン開幕までの入退団について記述する。

入団[編集]

選手名 前所属 備考
投手
マイケル中村 読売ジャイアンツ
桟原将司 阪神タイガース
ウィリアムス ボストン・レッドソックス
ゴンザレス デトロイト・タイガース
十亀剣 JR東日本 ドラフト1位
小石博孝 NTT西日本 ドラフト2位
捕手
武山真吾 横浜ベイスターズ
駒月仁人 京都市立塔南高等学校 ドラフト3位
藤澤亨明 上田西高等学校 育成ドラフト1位
内野手
ヘルマン テキサス・レンジャーズ
カーター アトランタ・ブレーブス傘下
永江恭平 海星高等学校 ドラフト4位
外野手
嶋重宣 広島東洋カープ
田代将太郎 東海大学付属第四高等学校 ドラフト5位

退団[編集]

選手名 備考
投手
岩﨑哲也 独立リーグ・エディンバーグ・ロードランナーズと契約
江草仁貴 広島東洋カープにトレード移籍
グラマン リーガ・メヒカーナ・デ・ベイスボルメキシコシティ
ブライアン・シコースキー カナダ独立リーグ・ブラントフォード・レッドソックス
朱大衛 CPBL・上海ゴールデンイーグルス
ミンチェ オリックス・バファローズ
内野手
石井義人 読売ジャイアンツ
後藤武敏 横浜DeNAベイスターズにトレード移籍
ホセ・フェルナンデス 東北楽天ゴールデンイーグルス
マルハーン サルティーヨ・サラペメーカーズ
外野手
G.G.佐藤 イタリアンベースボールリーグフォルティチュード・ボローニャ1953

選手・スタッフ[編集]

[18]

ドラフト会議[編集]

順位 選手名 ポジション 所属 結果
1位 増田達至 投手 NTT西日本 入団
2位 相内誠 投手 千葉国際高 入団
3位 金子侑司 内野手 立命館大学 入団
4位 髙橋朋己 投手 西濃運輸 入団
5位 佐藤勇 投手 光南高 入団
育成選手ドラフト
順位 選手名 ポジション 所属 結果
1位 水口大地 内野手 香川オリーブガイナーズ 入団

関連項目[編集]

出典[編集]

  1. ^ 2012年 相次ぐ主力のケガを乗り越え、最下位からの首位争い。|埼玉西武ライオンズ”. 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト. 2022年2月17日閲覧。
  2. ^ 新外国人選手獲得のお知らせ|埼玉西武ライオンズ”. 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト. 2022年2月17日閲覧。
  3. ^ 新外国人選手獲得のお知らせ|埼玉西武ライオンズ”. 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト. 2022年2月17日閲覧。
  4. ^ 【西武】3Aトレドのゴンザレス獲得 - プロ野球ニュース”. nikkansports.com. 2022年2月17日閲覧。
  5. ^ 広島嶋と西武江草の交換トレード発表 - プロ野球ニュース”. nikkansports.com. 2022年2月17日閲覧。
  6. ^ a b c d e 2012年 相次ぐ主力のケガを乗り越え、最下位からの首位争い。|埼玉西武ライオンズ”. 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト. 2022年3月18日閲覧。
  7. ^ a b 2012年4月試合日程・結果|埼玉西武ライオンズ”. 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト. 2022年3月18日閲覧。
  8. ^ 【西武】ダメ獅子!最悪の開幕本拠6連敗 - プロ野球ニュース”. nikkansports.com. 2022年3月18日閲覧。
  9. ^ 【プロ野球】開幕3連敗で二軍降格。エース・涌井秀章に何が起きたのか?|プロ野球|集英社 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva”. 集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva. 2022年3月18日閲覧。
  10. ^ 2012年6月試合日程・結果|埼玉西武ライオンズ”. 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト. 2022年3月18日閲覧。
  11. ^ 【西武】首位浮上「このまま…」栗山主将 - プロ野球ニュース”. nikkansports.com. 2022年3月18日閲覧。
  12. ^ 涌井2試合連続で救援失敗…西武、4連敗で首位から陥落 - スポニチ Sponichi Annex 野球”. スポニチ Sponichi Annex. 2022年3月18日閲覧。
  13. ^ 2012年9月試合日程・結果|埼玉西武ライオンズ”. 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト. 2022年3月18日閲覧。
  14. ^ 2012年9月試合日程・結果|北海道日本ハムファイターズ”. 北海道日本ハムファイターズ オフィシャルサイト. 2022年3月18日閲覧。
  15. ^ 西武、CS初戦勝利で敗退はパ初 大勝→連敗、リーグ2位でのCSは全4度敗退”. Full-Count(フルカウント) ― 野球ニュース・速報・コラム ― (2017年10月16日). 2022年3月18日閲覧。
  16. ^ 涌井 秀章 (東北楽天ゴールデンイーグルス) |個人年度別成績”. NPB. 2022年3月18日閲覧。
  17. ^ a b c パ・リーグ/記録達成者
  18. ^ 西武ライオンズ公式HP 背番号の歴史”. 埼玉西武ライオンズ. 2015年6月8日閲覧。