2003年の福岡ダイエーホークス

2003年の福岡ダイエーホークス
成績
日本一
日本S 4勝3敗(対阪神
パシフィック・リーグ優勝
82勝55敗3分 勝率.599
本拠地
都市 福岡県福岡市
球場 福岡ドーム
球団組織
オーナー 中内正
(代行:高塚猛
経営母体 ダイエー
球団社長 高塚猛
監督 王貞治
選手会長 松中信彦
スローガン
Victory Again〜羽ばたけHAWKS
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2003年の福岡ダイエーホークスでは、2003年シーズンについての福岡ダイエーホークスの動向をまとめる。

この年の福岡ダイエーホークスは、王貞治監督の9年目のシーズンであり、2000年以来、3年ぶり15度目のリーグ優勝に輝いたシーズンである。

概要[編集]

開幕前のオープン戦にて主力選手の小久保裕紀が本塁クロスプレーの際膝に大怪我を負い今季絶望となるも、井口資仁松中信彦城島健司ペドロ・バルデスの4名が100打点以上を挙げ「100打点カルテット」と呼ばれる活躍を見せ、チーム打率は1999年に横浜ベイスターズが記録した日本プロ野球記録の.294を超え新記録となる.297[1]、チーム盗塁数もリーグトップの147個を記録するなどダイハード打線の威力を遺憾なく発揮[2]。投手陣では前年まで通算9勝止まりであった8年目の斉藤和巳が20勝を挙げる大躍進をみせた他、ルーキーの和田毅 、2年目の杉内俊哉の両左腕が2桁勝利を挙げ、和田は新人王を獲得。さらに新人の新垣渚が8勝、2年目の寺原隼人が7勝を挙げるなど、先発陣が安定した成績をみせた。2位西武に5.5ゲーム差、最下位オリックスに33ゲーム差をつけて3年ぶりにパ・リーグ優勝を果たす[3]。日本シリーズでは、シリーズ史上初めて全試合本拠地チームが勝利する「内弁慶シリーズ」で4勝3敗で阪神を破り日本一に輝いた[3]。一方で、シーズンを全休した小久保がシーズンオフに巨人に無償トレードされることが発表され、物議を醸した[4]

チーム成績[編集]

レギュラーシーズン[編集]

開幕オーダー
1 村松有人
2 川﨑宗則
3 バルデス
4 松中信彦
5 城島健司
6 大道典嘉
7 井口資仁
8 ネルソン
9 高橋和幸
投手 斉藤和巳
2003年パシフィック・リーグ順位変動
順位 4月終了時 5月終了時 6月終了時 7月終了時 8月終了時 最終成績
1位 ダイエー -- ダイエー -- ダイエー -- ダイエー -- ダイエー -- ダイエー --
2位 近鉄 2.0 近鉄 1.0 近鉄 近鉄 5.0 西武 5.0 西武 5.5
3位 西武 2.5 西武 5.0 西武 1.5 西武 5.5 近鉄 6.5 近鉄 8.5
4位 日本ハム 3.0 日本ハム 8.0 日本ハム 9.5 日本ハム 10.5 日本ハム 14.0 ロッテ 14.0
5位 ロッテ ロッテ 8.5 ロッテ 9.5 ロッテ 15.0 ロッテ 20.5 日本ハム 19.5
6位 オリックス 4.5 オリックス 13.5 オリックス 18.5 オリックス 21.0 オリックス 32.0 オリックス 33.5
期間
成績
16勝11敗
勝率.593
15勝8敗1分
勝率.652
11勝10敗
勝率.524
13勝7敗
勝率.650
15勝8敗1分
勝率.652
12勝11敗
勝率.522


2003年パシフィック・リーグ最終成績
順位 球団 勝率
1位 福岡ダイエーホークス 82 55 3 .599 優勝
2位 西武ライオンズ 77 61 2 .558 5.5
3位 大阪近鉄バファローズ 74 64 2 .536 8.5
4位 千葉ロッテマリーンズ 68 69 3 .496 14.0
5位 日本ハムファイターズ 62 74 4 .456 19.5
6位 オリックス・ブルーウェーブ 48 88 4 .353 33.5

日本シリーズ[編集]

2003年 日本シリーズ
日付 試合 ビジター球団(先攻) スコア ホーム球団(後攻) 開催球場
10月18日(土) 第1戦 阪神タイガース 4 - 5 福岡ダイエーホークス 福岡ドーム
10月19日(日) 第2戦 阪神タイガース 0 - 13 福岡ダイエーホークス
10月20日(月) 移動日
10月21日(火) 第3戦 雨天中止 阪神甲子園球場
10月22日(水) 福岡ダイエーホークス 1 - 2 阪神タイガース
10月23日(木) 第4戦 福岡ダイエーホークス 5 - 6 阪神タイガース
10月24日(金) 第5戦 福岡ダイエーホークス 2 - 3 阪神タイガース
10月25日(土) 移動日
10月26日(日) 第6戦 阪神タイガース 1 - 5 福岡ダイエーホークス 福岡ドーム
10月27日(月) 第7戦 阪神タイガース 2 - 6 福岡ダイエーホークス
優勝:福岡ダイエーホークス(4年ぶり4回目)

オールスターゲーム2003[編集]

  • 選出選手及びスタッフ
ポジション 名前 選出回数
コーチ 王貞治
投手 和田毅
斉藤和巳
篠原貴行 2
捕手 城島健司 7(1)
二塁手 井口資仁 3
内野手 松中信彦 4
外野手 村松有人 2
指名打者 大道典嘉 3
  • 太字はファン投票による選出、▲は出場辞退選手発生による補充。選出回数のカッコ内は上記回数中事故のため不出場のもの。

個人成績[編集]

主な投手成績[編集]

  • 色付きは規定投球回数(140イニング)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手















































W
H
I
P
 
さいとう/斉藤和巳 26 26 5 1 1 20 3 0 -- .870 801 194.0 174 19 66 3 8 160 4 0 62 61 2.83 1.24
わた/和田毅 26 26 8 2 0 14 5 0 -- .737 781 189.0 165 26 61 1 1 195 1 0 77 71 3.38 1.20
すきうち/杉内俊哉 27 24 3 2 0 10 8 0 -- .556 675 162.2 148 13 55 1 3 169 4 0 64 61 3.38 1.25
あらかき/新垣渚 18 18 8 1 1 8 7 0 -- .533 505 121.1 110 10 30 0 6 132 5 0 52 45 3.34 1.15
てらはら/寺原隼人 18 16 1 0 0 7 5 0 -- .583 417 92.0 95 12 47 0 5 60 1 0 59 56 5.48 1.54
ないと/ナイト 16 16 0 0 0 6 4 0 -- .600 401 87.0 105 9 45 4 3 77 6 2 51 47 4.86 1.72
みすた/水田章雄 15 5 0 0 0 1 3 0 -- .250 210 43.0 50 8 29 0 3 29 1 0 36 33 6.91 1.84
なかい/永井智浩 6 5 0 0 0 3 1 0 -- .750 123 26.2 34 5 11 0 5 24 1 0 18 17 5.74 1.69
くらの/倉野信次 6 2 0 0 0 0 0 0 -- ---- 59 13.2 15 3 7 0 0 8 1 0 10 10 6.59 1.61
たのうえ/田之上慶三郎 3 1 0 0 0 1 1 0 -- .500 35 8.0 7 2 4 0 0 4 0 0 5 5 5.63 1.63
ほしの/星野順治 2 1 1 0 1 0 1 0 -- .000 45 10.1 14 2 0 0 0 7 0 0 9 8 6.97 1.35
おかもと/岡本克道 54 0 0 0 0 2 3 2 -- .400 217 53.1 50 8 13 2 1 59 0 0 27 24 4.05 1.18
よした/吉田修司 53 0 0 0 0 2 1 3 -- .667 212 48.1 53 1 18 1 3 41 1 1 28 27 5.03 1.47
わたなへ/渡辺正和 46 0 0 0 0 0 1 0 -- .000 161 36.1 38 5 17 4 5 19 0 0 20 20 4.95 1.51
よしたけ/吉武真太郎 42 0 0 0 0 1 3 1 -- .250 189 44.2 45 3 13 2 2 34 0 0 22 22 4.43 1.30
さとう/佐藤誠 31 0 0 0 0 3 3 0 -- .500 190 45.1 45 4 18 5 3 32 0 0 15 15 2.98 1.39
しのはら/篠原貴行 30 0 0 0 0 1 4 10 -- .200 159 42.2 30 3 5 2 1 40 0 0 12 11 2.32 0.82
やまた/山田秋親 24 0 0 0 0 2 1 0 -- .667 121 26.0 25 3 17 2 5 20 1 0 12 12 4.15 1.62
すくるめた/スクルメタ 18 0 0 0 0 1 1 11 -- .500 74 16.1 21 4 6 0 0 12 0 0 7 7 3.86 1.65

主な打撃成績[編集]

  • 色付きは規定打席(434打席)以上の選手
  • 太字はリーグ最高
選手











































O
P
S
 
しようしま/城島健司 140 628 551 101 182 39 2 34 327 119 9 4 2 7 53 10 15 50 22 .330 .399 .593 .993
いくち/井口資仁 135 617 515 112 175 37 1 27 295 109 42 6 1 6 81 2 14 81 10 .340 .438 .573 1.011
まつなか/松中信彦 135 590 494 99 160 31 1 30 283 123 2 0 0 3 81 3 12 69 12 .324 .429 .573 1.002
かわさき/川﨑宗則 133 568 493 78 145 17 9 2 186 51 30 16 28 2 41 0 4 74 8 .294 .352 .377 .729
はるてす/バルデス 124 534 453 72 141 24 2 26 247 104 1 1 0 10 64 4 7 64 16 .311 .397 .545 .942
むらまつ/村松有人 109 510 463 85 150 29 13 6 223 57 32 10 5 4 35 0 3 67 5 .324 .372 .482 .854
しははら/柴原洋 112 479 426 71 142 26 0 4 180 53 11 2 7 6 38 2 2 60 9 .333 .386 .423 .808
おおみち/大道典嘉 117 403 367 37 103 24 0 4 139 51 0 1 12 3 21 0 0 44 18 .281 .317 .379 .696
とりこえ/鳥越裕介 115 316 264 31 56 7 0 1 66 25 5 4 18 1 28 0 5 87 5 .212 .299 .250 .549
すれた/ズレータ 67 250 214 33 57 14 0 13 110 43 0 1 0 2 24 0 10 62 7 .266 .364 .514 .878
ねるそん/ネルソン 54 176 167 18 38 7 0 3 54 17 2 2 0 2 7 0 0 29 8 .228 .256 .323 .579
ほんま/本間満 88 143 119 20 27 3 1 0 32 12 3 2 4 0 19 1 1 39 1 .227 .338 .269 .607
てくち/出口雄大 60 142 125 30 32 9 2 3 54 14 3 0 2 2 13 0 0 34 1 .256 .321 .432 .753
まつた/松田匡司 56 80 71 3 9 1 1 0 12 0 0 0 5 0 4 0 0 22 2 .127 .173 .169 .342
たかはし/高橋和幸 26 73 70 11 18 1 1 0 21 3 0 1 1 0 2 0 0 11 1 .257 .278 .300 .578
みすき/瑞季 25 31 30 4 8 3 0 0 11 3 1 0 0 0 1 0 0 6 0 .267 .290 .367 .657
つし/辻武史 17 29 28 0 4 1 0 0 5 4 0 1 0 0 0 0 1 5 1 .143 .172 .179 .351
あらかね/荒金久雄 28 23 23 7 4 1 0 0 5 0 1 0 0 0 0 0 0 5 0 .174 .174 .217 .391
おおこし/大越基 35 19 18 5 4 1 0 0 5 3 3 0 0 0 1 0 0 6 0 .222 .263 .278 .541
たくち/田口昌徳 10 13 10 2 2 1 0 1 6 2 0 0 0 0 3 0 0 3 1 .200 .385 .600 .985
よしもと/吉本亮 5 10 10 0 1 0 0 0 1 1 1 0 0 0 0 0 0 1 0 .100 .100 .100 .200

できごと[編集]

入団・退団[編集]

シーズン開幕前[編集]

本節では、前シーズン終了から本シーズン開幕までの入退団について記述する。

入団[編集]

選手名 背番号 前所属 備考
投手
新垣渚 18 九州共立大学 ドラフト自由獲得枠
和田毅 21 早稲田大学 ドラフト自由獲得枠
ナイト 24 ニューヨーク・ヤンキース 新外国人
溝口大樹 30 戸畑商業高 ドラフト4位
スクルメタ 36 ピッツバーグ・パイレーツ傘下 新外国人
捕手
大野隆治 25 日本大学 ドラフト5位
内野手
ネルソン 4 ボストン・レッドソックス 新外国人
森本学 29 シダックス ドラフト6位
田中直樹 50 沖学園高 ドラフト7位
関屋智義 53 横浜ベイスターズ 自由契約
稲嶺誉 60 東京農業大学生物産業学部 ドラフト8位
外野手
陳文賓 37 台湾・中信ホエールズ 笹川隆とトレード
松田匡司 43 阪神タイガース 佐久本昌広とトレード

退団[編集]

選手名 去就
投手
ラジオ アメリカ独立リーグへ
ペドラザ 巨人と契約
カスティーヨ
佐久本昌広 トレードで阪神タイガースへ移籍
鈴木平 現役引退
若田部健一 FAで横浜ベイスターズへ移籍
長冨浩志 二軍投手コーチに就任
土井雅弘 オリックスと契約
広田庄司
福山龍太郎 スカウトに転向
養父鉄 米・ホワイトソックスとマイナー契約
日笠雅人 アメリカ挑戦も引退
捕手
笹川隆 陳文賓とトレードで台湾・中信に移籍
内之倉隆志 ブルペン捕手に転向
内野手
バークハート 米・ロイヤルズとマイナー契約
野々垣武志 台湾の誠泰太陽へ移籍
外野手
秋山幸二 野球解説者
大野倫 現役引退
森山一人

シーズン開幕後[編集]

本節では、本シーズン開幕から本シーズン終了までの入退団について記述する。

入団[編集]

選手名 背番号 前所属 備考
ズレータ 42 ボストン・レッドソックス傘下 新外国人
笹川隆(捕手) 59 中信ホエールズ 自由契約、日本球界復帰

選手・スタッフ[編集]

[12][13][14][15][16]

  • 背番号変更
  • 登録名変更
    • 瑞季 旧登録名「田中瑞季」

表彰選手[編集]

リーグ・リーダー
選手名 タイトル 成績 回数
城島健司 最優秀選手 初受賞
和田毅 新人王
松中信彦 打点王 123打点 初受賞
井口資仁 盗塁王 42個 2年ぶり2度目
斉藤和巳 最優秀防御率 2.83 初受賞
最多勝利 20勝 初受賞
最高勝率 .870 初受賞
沢村賞 初受賞
ベストナイン
選手名 ポジション 回数
斉藤和巳 投手 初受賞
城島健司 捕手 2年ぶり4度目
松中信彦 一塁手 3年ぶり2度目
井口資仁 二塁手 2年ぶり2度目
ゴールデングラブ賞
選手名 ポジション 回数
城島健司 捕手 5年連続5度目
井口資仁 二塁手 2年ぶり2度目
村松有人 外野手 初受賞
柴原洋 2年ぶり3度目

ドラフト[編集]

順位 選手名 ポジション 所属 結果
自由獲得枠 馬原孝浩 投手 九州共立大学 入団
1巡目 (選択権なし)
2巡目 城所龍磨 外野手 中京高 入団
3巡目 (選択権なし)
4巡目 明石健志 内野手 山梨学院大学附属高 入団
5巡目 榎本敏孝 投手 西淀川高 入団
6巡目 金子圭輔 内野手 千葉・志学館高 入団
7巡目 三瀬幸司 投手 NTT西日本中国野球クラブ 入団
8巡目 竹岡和宏 投手 中山硬式野球クラブ 入団

出典[編集]

  1. ^ 2023年時点でも日本プロ野球記録
  2. ^ 常に誰かが得点圏? ダイハード打線はNPB記録のチーム打率.297。100打点カルテットも――プロ野球最強打線を振り返る”. ベースボールチャンネル (2020年6月19日). 2020年9月22日閲覧。
  3. ^ a b 【8月1日】2003年(平15) 5日で記録更新!凄いぞダイエー、情けないぞオリックス”. Sponichi Annex. 2016年4月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年12月23日閲覧。
  4. ^ a b 【11月3日】2003年(平15) なぜだ…小久保裕紀、巨人へ無償トレード”. Sponichi Annex. 2016年4月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年4月24日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h i ソフトバンク刊「王貞治監督 ホークス14年の軌跡」52ページ
  6. ^ a b 週刊ベースボール、2003年5月5日号、P.96
  7. ^ ダイエーがズレータ獲得 パナマ出身のパワーヒッター 2003年6月13日 [リンク切れ]
  8. ^ 【7月1日】2003年(平15) まずは稲葉篤紀、1時間後に村松有人、翌日は桧山進次郎スポーツニッポン2009年7月1日配信
  9. ^ 日刊スポーツ出版社プロ野球B級ニュース事件簿【平成版】-エーッ、ウソッ、アリャリャ……170連発- 107ページ
  10. ^ 【8月1日】2003年(平15) 5日で記録更新!凄いぞダイエー、情けないぞオリックススポーツニッポン2008年7月30日配信
  11. ^ 週刊ベースボール2013年10月7日号42-43ページ
  12. ^ 背番号の変遷(No.00~20)”. 福岡ソフトバンクホークス. 2020年8月30日閲覧。
  13. ^ 背番号の変遷(No.21~40)”. 福岡ソフトバンクホークス. 2020年8月30日閲覧。
  14. ^ 背番号の変遷(No.41~60)”. 福岡ソフトバンクホークス. 2020年8月30日閲覧。
  15. ^ 背番号の変遷(No.61~80)”. 福岡ソフトバンクホークス. 2020年8月30日閲覧。
  16. ^ 背番号の変遷(No.81~100)”. 福岡ソフトバンクホークス. 2020年8月30日閲覧。